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2009年度 公募作品展示部門
ASIAGRAPH2009 CGアートギャラリー公募展示部門 入選者紹介
ASIAGRAPH2009 (CG Competition) , Lists of successful competitors
ケンタウロス 杉山実 (Japan) |
Rocket Trike 2 鈴木 史武 (Japan) |
All Is Mine Yuta Onoda (Japan) |
Leiothrix Tang Yuehui (China) |
逆さ 竹谷嘉人 (Japan) |
Virtual Star 西尾泰和 (Japan) |
Goodnight C Ganymede Yasmine Putri (Indonesia) |
Salvation Mario Wibisono (Indonesia) |
Bliss Yu Cheng Hong (Taiwan) |
Love Mouse Shinsaku Hidaka (Japan) |
memory Yamamoto Junichi (Japan) |
Love Is Protein YEON Sang-ho (Korea) |
Promise Peng Qingzheng (China) |
AMIDANIMATION~アミダニメーション~ 町田 啓太 (東京工芸大学) |
memory 山元隼一 (九州大学大学院) |
視力検査 岡田拓也 (トライデントコンピュータ専門学校) |
墓の電話番号 濱本篤志 (大阪芸術大学附属 大阪美術専門学校) |
テブラハ チームテブラハ (デジタルハリウッド大学) |
SHUTTLE LINE 井上健太 (日本大学芸術学部) |
冬虫夏草 平野知映 (京都精華大学) |
yuanBRICK(日本電子専門学校) |
高村 祥子,塙 学夢日記(デジタルハリウッド大学) |
CO2It appears one after another(文京学院大学) |
大切なモノ 武山凪 |
フルートの大冒険 倉橋壮汰 |
ハナタローのながいたび 吉澤慎太郎 |
ふしぎなうちゅうの仲間 近藤 慎之介 |
まちのひとたち 渡辺 勇太 |
トンボの虹 松岡黎 |
桜の舞う泉 本多嵩嶺 |
おばけのおすしやさん 福田 全 |
審査委員総評
岩野 一郎Ichiro Iwano トライデントコンピュータ専門学校講師、アニメーション作家 |
応募作品全体を通して、2Dのアニメーション作品の方が、映像としての表現やデザインの柔軟さにおいて多様で、安定感を感じた。その一方、3DCGの作品では制作工程の複雑さの問題もあるとは思うが、技術的な表現の制約を感じる作品が多く、特に個人レベルでの制作において、3DCGのアニメーション表現が、まだまだ発展途上である印象を受けた。その分、新しい表現の余地もかなり期待できるとも言える。個人的には「Love Is Protein」という作品が非常に残酷でとても面白かった。 |
檜山 巽TATSUMI HIYAMA アーティスト、グラフィック・デザイナー |
ASIAらしい表現ってなんだろうと、考えながら審査に拘らせていただきました。 1)商業的グローバルの影響による平均化がなされていないイメージ 2)個人の環境や体験を根拠にした作者の心象が感じられるイメージ 3)既存作品にとらわれない目線の新鮮なアイディアがあるイメージ 4)鑑賞者の心の琴線に触れ作者の創造世界へ誘ってくれるイメージ *2、3は裏を返せば結局、1に通じると言えるかも知れません。 _上記は、わたしが基本的審査の基準にしたことです。 東洋の感性は古来から、自然界にあって、その分をわきまえた人間の奥ゆかしい態度の中に育まれて来たのだと思います。昨今の人間中心主義や加速化社会に翻弄されず、確信を持った地道な表現と発表の進化熟成が、ある日気がついた時真のAsian originalの畝になっているのではないか。また、そうでありたい。いま、結論的にはそのように感じています。 |
柴田忠男Shibata Tadao 日刊デジタルクリエイターズ 編集長 |
今回もたくさんのバラエティ豊かな作品が集まったが、作品の優劣の差が大きく、各部門とも入選作品のチョイスは容易だった。次の過程では、制作意図が明確にわかる作品を選んだ。その点では、第一部門で作者による解説のついた、日本人作家の方が有利だった。たとえば、西尾泰和作品では秀逸な解説も評価した。わたしは以前から、作家はビジュアルだけでなく、作品を言語でプレゼンテーションする能力が必要だと思っていた。しかし、杉山実、鈴木史武、Yuta Onoda各作品は、それがなくてもビジュアルの迫力で評価した。これではわたしの主張は一貫しない。困った。 |
安藤健一Kenichi Ando 株式会社イーフロンティア 代表取締役社長 |
アジアは世界的に見ても文化的/歴史的な深みのある地域です。公募作品の多くにはそれぞれの文化が見え隠れしていて、とても楽しく選考に望むことができました。クリエイターの活動には言葉が不要で、作品を通じてコミュニケーションをとれることが大きな魅力です。言語を超えた説得力を持つ素晴らしい作品に、まさに圧倒される思いでした。ASIAGRAPHという舞台で多様性のあるアジアのクリエイター同士が交流し、刺激を与え合い、さらにクオリティの高い作品が生み出されていくことを期待しています。3Dツールを扱う企業としては、作品にうまく3D要素を取り入れているものが多く見受けられたことも、とても嬉しく思いました。 |
林千晶Chiaki Hayashi 株式会社ロフトワーク 代表取締役 |
応募作品を一通り目にして、アジアがいかに文化的な基盤を共有しているかを実感しました。細かいテイストの違いはあっても、繊細な作り込みの志向やディテールへのこだわり、有機的で感情表現が豊かなモチーフ、そしてアジアを代表する深くて鮮やかな色合い。欧米とは明らかに違う「多様性を包含するアジア」の文化が表現されていました。アジアの価値観が、今改めて世界から注目されているように感じます。その中で、今回のASIAGRAPHの取り組みは非常に価値のある活動だと感じました。 |
由水 桂Kei Yoshimizu 3DCGアーティスト |
静止画部門で特に注目した作品はYu Cheng Hong氏の『Bliss』。美しいイマジネーションを裏付ける精緻な筆致が素晴らしい。3DではYoung soo Choi氏の『Kate in the soft wind』の軽やかな風の表現が素敵だ。学生アニメーション作品部門では、山本隼一氏の大作『memory』をはじめ、静止画部門に比べて3DCG作品が目立ち、アニメーションにおける3DCGの手法が若い世代にも根付いていると感じた。 |